2010年6月21日 (月)

任天堂テレビゲーム

Ctg1

上が「カラーテレビゲーム15」、下が「カラーテレビゲーム6」
どちらも1977年に発売された家庭用テレビゲーム機です。値段が手頃(15,000円と9,800円)だったこともあり爆発的に売れたそうです。発売元は、あの任天堂です。ファミコンからスーパーファミコン、Nintendo64、そしてWiiへと続く任天堂の家庭用ビデオゲーム機の歴史はここから始まったんですねー。

Ctg2

テレビゲーム15の基盤です。基板上にはICが3個、あとC、R、コイルなどが載っています。テレビゲーム6もほとんど同じような基板でした。見たところそれほど難しい回路ではなさそうなので基板から回路図を起こしてみました。

カラーテレビゲーム15回路図

カラーテレビゲーム6回路図

使われているICは
テレビゲーム15が
M58815P M51342P M58471L
テレビゲーム6が
M58816P M51342P M58471L

M58815PとM58816Pはメインのゲーム用LSI、M51342P はテレビ信号生成、 M58471L はクロックジェネレーターのようです。15と6の違いはメインのLSI周りだけで、それ以外は全く同じ回路でした。あと回路を見てひとつ気がついたのは、M51342P が当時のテレビゲームでよく使われていたナショナルセミコンダクタ製 LM1889 と同じピン接続だということです。ただし LM1889 は動作電源電圧が12~18Vですが、 M51342P は9Vで動作させているので、全くコンパチブルというわけではないようです。

ところで「クラッシックビデオゲームステーションオデッセイ」によると、テレビゲーム15と6にはそれぞれ初期型と後期型があって、型番が次のようになっているそうです。

           初期型   後期型
テレビゲーム15 CTG-15S  CTG-15V
テレビゲーム6  CTG-6S   CTG-6V

型番についているサフィックスのSとVはコントローラーがスイッチタイプかボリュームタイプかを表しているようです。初期型はコントローラーの評判が悪かったとのことなので、それでおそらく後期型が開発されたのでしょう。確かに実際にプレーしてみると、ボールが飛んできたところに素早くラケットを動かせるボリュームタイプに比べて、スイッチタイプのまったりとしたラケットの動きにはとってもじれったさを感じてしまいます。なお、今回、私が解析したものはテレビゲーム15が初期型、テレビゲーム6が後期型でした。

さて、「任天堂の歴史」によれば、テレビゲーム6の中身はテレビゲーム15と同じLSIを使っていて、ただ機能の一部を潰して6ゲームしかできないようにしてあるだけだとありました。本当にそうなのでしょうか。調べてみることにしました。

Ctg3

まずテレビゲーム6本体のゲーム選択スイッチを殺します。そしてテレビゲーム15の回路図を参考にして、LSIから8接点のゲーム選択スイッチと発射ボタンを接続しました。すると見事にテレビゲーム15と同じ15種類のゲームがプレーできるようようになりました。たった2個のスイッチを追加することで、9,800円の機種が15,000円の機種と全く同じ機能となるスペシャル改造法が、今、明らかになったのです!! 30年以上前の機種だけどね・・(笑)
今さら感があふれ出るハード解析と改造でありました。

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2006年12月 2日 (土)

アルコールチェッカー

 飲酒運転の罰則が厳しくなったせいか、アルコールチェッカーがよく売れているようです。いったいどんな構造なのかちょっと興味があったのでひとつ買ってみました。

Alcohol1  私が入手したのは、最近、あちこちのネットショップやオークションに出ているもの。アルコールチェッカー機能に加えて、時計にタイマー、なぜか温度計まで付いています。大きさは100x37x17mmと、とてもコンパクト。本体には型番もメーカー名も入っていませんが、たぶん中国製でしょう。外見にはそれほど安っぽさを感じません。ディスプレーが2つ付いていて、上が時計や温度の表示、下がアルコール量の表示となっています。


Alcohol2  使い方は簡単。まず本体正面のPOWERスイッチを押すと電源が入ります。約10秒のカウントダウン(センサーの余熱時間)の後、BROWと表示されるので、本体上部のセンサーに息を3~5秒吹きかけます。するとアルコール量が表示されるとともに、アルコール量が0.1mg/l~0.25mg/lだとCautionと表示、0.25mg/l以上だとDangerの表示とともにブザーが鳴り、数秒後、自動的に電源が切れます。測定範囲は0.00~0.95mg/lで、0.05mg/l単位で表示されるようです。ただこの数字は、息の吹き方や吹く時間によってもかなり変わってしまいますから、参考程度にしかならないでしょう。
 電源はアルコールチェッカー用に単4電池を2本、時計用にLR44を1個使っています。消費電流を測ってみるとアルコール測定中は150mA以上も流れていました。何回も遊んでいるとすぐに電池が空になってしまいそうです。


Alcohol3  裏側のネジを1本外すと裏ブタが外れます。内部を見て、まず目に付くのはアルコールセンサー。直径は約8mm。リード線がチューブで包まれた部品は温度センサー(サーミスタ?)でしょう。あとCR類。そして6389Bと書かれたシールが張られたIC。シールをはがすとHOLTEK社のHT46R47です。どんな素性のICなのか検索してみたら、4チャンネルADコンバータ内蔵の8ビットマイクロプロセッサでした。アルコールチェッカー機能はこのICが担当しているようです。時計や温度計用には別のチップがあるみたいですが、液晶表示部のハンダを外して分解しないとそこまで見られません。面倒臭そうだったのでここまでにしました。

 それにしても中を見て気になったのはハンダ付けの汚さ。基板上の表面実装部品はいいのですが、手作業で付けた箇所を見ると、ちょっと引っ張っただけで取れそうなリード線やら、コテが当たって被覆が溶けている部品やら・・。おそらくほとんど素人の工員による仕事だと思いますが、このあたりはやっぱり中国製の安物、といった感じです。あまりにもひどいので思わずハンダ付けをやりなおしてしまいました。

 一見、もっともらしい数字が表示される測定器みたいなこの機械ですが、はっきり言って精度など全く期待できないおもちゃと考えた方がよいでしょう。

 最後にお約束の一言。
『飲酒運転は法律で固く禁じられております。』

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2006年11月21日 (火)

ピコモールス NHC-03

Picomorus1  ジャンク箱の中からミズホ通信の「ピコモールス NHC-03」が出てきました。51x57mmの基板上にワンチップマイコンやスピーカ、スイッチ、電源のリチウム電池まで載っていて、スイッチを押すとランダムなモールス符号が流れます。発生する符号は、欧文、和文に数字や記号の組み合わせといろいろと設定ができ、スピードやトーン周波数も変えられて、3級から1級までのモールスの受信練習がこれ1台でOK、というものです。いつ買ったものなのかも忘れてしまったのですが、説明書に「モールス生誕200年記念」とあったので調べたら1991年の発売でした。もう15年も前のものなんですね。でも人気商品なのか、現在でもGHDキー社で同じものが販売されています。

 さて発見したものの、この先、自分がこの機械をマジメに必要となることはまずないと思います。でも基板のまま放っておくのもちょっとかわいそうだったのでケースに納めることにしました。

Picomorus2  使ったケースは最近お気に入りのタカチ製「SW-95」
まずは基板から、とっくの昔に空になっているリチウム電池を取り除き、代わりに単4電池ホルダを付けます。基板上にはスイッチがたくさん付いていますが、スタート・ストップスイッチだけ線を引き出してケースに取り付けました。そのほかの設定はふたを開けて操作することになります。スピーカは基板から取り外したものをそのままケースに接着し、イヤホンジャックも追加しました。あとOUT端子を使って音と同時にLEDが光る回路も追加してみました。基板はそのままケースに入れるとスイッチやスピーカを付けるスペースがないので少し切り取ります。厚さもケースに納めるにはギリギリだったので、特にネジ止めしたりせずスポンジで押さえるだけにしました。音量調整の半固定抵抗は手で廻しやすいように、(その辺に転がっていた)歯車を接着しましたが、これはケースの外から操作できるようボリュームを追加した方がよかったかもしれません。スイッチやイヤホンジャックなどは胸ポケットに入れたとき上面で操作できるように配置しました。スイッチはもう少しクリック感のあるものがよかったのですが、手持ちでスペースに納まりそうなものがこれしかありませんでした。

 久しぶりに聞いたモールス、だいぶ腕が落ちてるなー
以前は1分間に100字くらいはいけたのに、今では50~60字がやっと。それも数字や記号が入ると怪しい。和文も一通り覚えたはずなのに、かなり忘れている。でもまあ、いまさらモールスを上達してバリバリCWで交信する気もないので、どうでもいいのですが・・

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2006年10月26日 (木)

導通チェッカー

Checer1  いろいろなガラクタで遊んでいるとき、配線がつながっているのか調べたいことがよくあります。普通のテスターで調べてもいいのですが、反応が遅いし測定場所から目を離さないといけないのは不便です。特に切れかかったケーブルやスイッチの接触不良は、針や数字で表示されてもよくわかりません。また半導体の回路を調べるときには、あまり高電圧や大電流がかかっては困ります。というわけで、何か良いものはないかと探していたら、居酒屋ガレージで紹介されている導通チェッカーが目に付きました。

特長
・測定端子間が10Ω以下(調整可能)でブザーが鳴る。
・測定端子の最大電圧が0.44V、最大電流が44μAと測定対象にやさしい。
・短時間なら100V程度の電圧が加わっても壊れない。
・オートパワーオフ。(実はコレが一番うれしい)

 機能、性能を求めているので導通ブザーとしては贅沢すぎるほどの回路です。でも一生モノの測定器としてはちょっといいかも、と思い製作することにしました。

Checer2  まずは部品集め。回路図から部品表まで公開されているし特殊な部品はないので一から集めてもよかったのですが、あっさりとアクト電子で部品キットを購入しました。値段は2000円+送料。地方に住んでいると部品1個買うのにも時間やお金がかかるので、少々高くてもこういったキットはありがたいです。まあホンネは細かい部品をチマチマ集めるのが面倒なだけですが・・

 製作はシルク印刷された専用基板が付いているので特別難しいところはありません。ケミコンはケースに納めるために寝かして取付ける必要があります。0.001μFも寝かさなければいけないようだったので、こちらは手持ちの小さなものを付けました。

 さて、このキットでは、測定端子はケースから直接、導線を引き出して、その先にワニ口クリップを付けるようになっていました。でも細かい回路を調べる時にはテスタ棒の方が使い勝手が良いでしょう。そこでワニ口、テスタ棒のどちらでも使えるようにバナナジャックを追加することにしました。それになんとなく、その方が「測定器」っぽいですし。

 ケースはタカチのSW-95が付いています。このケースに基板をそのまま納めるとバナナジャックを付けるスペースがありません。もっと大きなケースに変えようかとも思いましたが、このコンパクトなケースは捨てがたい。いろいろ考えた末、強引ですが基板の上下を切り取って、基板を横向きに納めてしまいました。

 基板はゴム板と両面テープでケースに固定し、そのほかの部品はすべて接着剤で固定しました。当然、後々のメンテナンスは全く考えてない造りです。まあ壊れたら壊れたとき。LEDはキットに付いていたものだと小さい気がしたので手持ちのものを付けたのですが、やっぱり大きすぎました。

Checer3  なかなか良いものができました。完成したあと、意味も無くあちらこちらの導通テストをしてしまいました。(笑)
 ちなみにテスタ棒は近所のホームセンターで購入したもの。買ったときには既に断線していた、というとんでもないものです。「つば」は邪魔だったので削り取ってしまいました。

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2006年10月25日 (水)

ロシア製ガイガーカウンタ

Drsb011_1  ロシア製のガイガーカウンタ「ДРСБ-01」(DRSB-01)を入手しました。私はYahooオークションで落札しましたが、ebayではかなり安く買えるようです。
大きさは155x70x25mmとコンパクト。電源は単三電池が2本。安っぽい造りにキリル文字が怪しさを盛り上げます。
 下に敷いてあるのはロシア語と英語の取扱説明書。旅客機に持ち込むときに怪しまれたら、これを見せればOK、ということですが、本当に大丈夫かな?


Drsb012  スイッチを右にスライドさせると電源が入ります。放射線を検出すると「カチッ」というクリック音とともに上の緑色LEDが点灯し、さらに放射線量が多くなると下の赤色LEDが点灯します。


Drsb013 分解は、裏側真ん中のネジ(購入時にはパテで埋められている)を1本外して裏ブタを外します。
 主な部品はGM管、IC2個、トランジスタ4個、高圧トランス、あとはC、R、ダイオードなど。ロシア製電子機器の中身を見るのは初めてなのでちょっと期待したのですが意外と普通でした。(あたりまえか)


Drsb014_2  GM管。旧ソビエト時代のデッドストック品とのこと。「СЦ180Γ 9119」と書いてあります。1991年製造ということでしょうか。大きさは直径約18mm、長さ約90mmとなかなか立派なものです。


Drsb015_1 IC。
DIP14ピンは「К561ДЕ5」
DIP16ピンは「К561ИЕ14」
というマークです。使われ方からみて、おそらくCMOSデジタルICだと思われますが詳細は不明。下の数字が製造年だとするとこれも旧ソビエト時代のものか?


Drsb016  消費電流は無検出時で約6.4mAでした。電池の持ちはかなり良さそうです。
 このガイガーカウンタ、なかなか感度が良く、バックグラウンド放射線を1分間に50~60カウントします。単純計算で秋月キットの10倍くらいの感度でしょうか。ごく弱い放射能しか持たないウランガラスのビー玉でも、10個くらいまとめると明らかにカウントが増えるのがわかります。

 外見に似合わず(?)、充分、実用的に使えるものです。

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2006年10月22日 (日)

自作ガイガーカウンタ

Geiger1_2 昔、秋月電子で買ってそのまま放ってあったガイガーカウンタキットを製作しました。ただ、キットをそのまま作るのはおもしろくないので、いろいろとアレンジ。


Geiger2_3  ケースはタカチのLM-100C。ワイシャツのポケットにもすっ ぽり入るほどコンパクトで電池ボックスまで付いています。
 すべての部品は基板上に取り付け、ケースには穴だけ開けるようにしましたがちょっと窮屈です。
 高圧トランスはそのまま基板に付けるとケースに納まらないので、基板を切り欠いて横向きに取り付けました。


Geiger3_2 オリジナルの電源は006Pでしたが、エレ工房さくらいで売っている、「超小型チャージポンプ式3V→5VDC-DCコンバータキット」を組み込んで、単4電池2本で動作するようにしました。


Geiger4_2  放射線を検出したとき、音だけでなくLEDが光るようにしました。LEDはパイロットランプを兼ねて2色LEDを使用し、電源が入っているときは緑色、放射線を検出すると赤色(橙色)が光るようにします。
 スピーカーは中古マザーボードから外したものがちょうどよい大きさだったので取り付けました。最初、全然音が出ないのでよく調べたらマグネチックスピーカーではないですか。てっきり圧電タイプのスピーカーだと思ったのに・・。いまさら別のスピーカーに替える訳にもいかず、仕方がないので急遽、ドライブ用のトランジスタを追加。消費電流が増えてしまいますが、どうせ音が出るのは一瞬だから我慢しましょう。


Geiger5_2  消費電流は無検出時で約2.8mA。ただしパイロットランプのLEDだけで2mA以上喰ってます(笑)。それでも数十時間は電池が持つはずですから良しとしましょう。
 このガイガーカウンタはバックグラウンド放射線を1分間に4~5カウントする程度であまり感度は良くありません。まあ、小さなGM管ですので仕方のないところですが。
 写真はランタンのマントルを計っているところ。ちょっとビックリするくらい強い放射能を持っています。

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